スキルスラボ

はじめに

 近年、日本においても医学教育にシミュレーション教育が取り入れられるようになり、より効果的に臨床技能を学ぶことが可能になりました。 さらには、シミュレータの高機能化によって高度化・複雑化する医療現場が再現できるようになり、基本的な医療技術の修得やチーム医療トレーニングがより臨床に則した形で行われるようになりました。

 スキルスラボやシミュレーションラボ(以下、スキルスラボ)は、これらの研修に特化した場として、医療系大学などに設置されています。 長野県立病院機構も本部研修センターにスキルスラボを設置し、充実したシミュレータ設備や「スキルスラボ管理者」の常駐で、研修をサポートできる体制をとっています。
 スキルスラボでは、例えば初期研修医のように専門職としての経験が不足している方々は、基本的な手技や診療スキルのトレーニングを行うことができます。また指導する側にいる方々は、コーチング・スキルを磨く場としてお使いいただくことができます。

 長野県立病院機構本部研修センタースキルスラボを理解いただくとともに、臨床現場で活躍されているすべての職種の皆さまに、シミュレーション・トレーニングを通じて学ぶ側・教える側がともに育つ場として、スキルスラボを広くご活用いただければ幸いです。

シミュレーション教育とは

 医療者教育における「シミュレーション教育」とは、臨床現場・臨床場面を模擬的に再現した環境で、課題を体験し、知識や技能を向上させる学習方法です。
次のように分類されます。

  • 1) 疑似体験(高齢者体験、視覚障害者体験など)
  • 2) 模擬医療面接(ロールプレイによる医療面接など)
  • 3) 簡易なシミュレータによるトレーニング(採血、縫合手技、聴診、触診、中心静脈穿刺など)
  • 4) 高度なシミュレータによるトレーニング(総合的な問題解決力が必要なコンピューター制御の高機能シミュレータなど)
  • 5) チーム医療のトレーニング(上記の組み合わせにより、患者急変、事故などの模擬的状況)

シミュレーション実施例

アレルギー反応への対応

研修の全体目標検査後の急変に的確にチームで対応できる
対象者全職種
課題 60歳男性。CTスキャン検査のため、研修医が生理食塩水で血管確保した。 その後、造影剤を点滴静注したところ、気分不快と嘔気・おう吐が起こった。
CT室には、研修医、診療放射線技師2名がいる。
*造影剤の注入をするところからシミュレーション開始。時間は6分間。
事前学習CT造影剤のアレルギー初期対応について
シミュレーションの流れ目標の説明→学習環境の説明→課題の説明→シミュレーション→デブリーフィング