理事長挨拶

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県民の皆様へよりよい医療を提供するために

理事長 本田 孝行

 長野県立病院機構(本機構)理事長を務めます本田孝行です。

 本機構は2010年(平成22年)に設立され、信州医療センター(須坂市)、こころの医療センター駒ヶ根(駒ヶ根市)、阿南病院(阿南町)、木曽病院(木曽町)、こども病院(安曇野市)の県立5病院で構成されています。それぞれの県立病院に特徴があり、地域に根差した医療を提供している病院もあれば、総合的医療あるいは最先端専門医療にて県民の皆様に貢献している病院もあります。個々の県立病院の機能を高め、連携を密にし、より発展させることが、本機構の役割と考えています。その役割を果たすべく、医療従事者の育成のため、2014年(平成26年)信州木曽看護専門学校を開校し、2017年(平成29年)スキルスラボをリニューアルし本部研修センター(信州医療センター内に設置)を充実させています。

 新型コロナウイルス感染症もようやく落ち着きを見せていますが、医療に大きな影響を与え、医療体制の見直しを余儀なくされました。併せて、徐々に生じてくる人口減少・少子高齢化に対応することも大きな課題になっています。

 新型コロナで、医療資源(医師、看護師、検査、薬剤など)に限りがあることを再認識しました。患者数が医療機関での対応限度を超えたため、入院、宿泊療養、自宅療養に分けて収容しました。人口減少・少子高齢化の対応も同様で、経営のため必要最低限のベッド数での運営を余儀なくされると、病院のみでの対応だけでは難しくなります。柔軟なベッド運営ができる体制を考えなくてはなりません。また、他の医療資源不足にどのように備えるか、BCP(Business Continuity Plan、事業継続計画)の考え方も応用して、地域と一緒に考えていく必要があります。

 一方、遅々として進まなかった医療改革が週・月単位で進んでいます。新薬・ワクチン承認の時間短縮、宿泊・自宅療養の運用(ベットの柔軟な運用)、医療従事者の働き方改革(種々の具体的サポート)、医療の役割分担(医療資源の効率的運用)などは、複雑な利害関係および医療コストのために進みにくいと考えられていました。これらの改革は、今後の人口減少・少子高齢化対応においても有効です。特に、電話・オンライン診療の活用は、過疎地域の多い長野県において威力を発揮すると思われます。

 本機構の5病院は広い長野県に点在しています。今までは離れていることがデメリットと考えられていましたが、コロナ禍におけるオンラインシステムの進歩により身近になりつつあります。オンラインを通じて5病院を1つのバーチャル病院のように運営できれば、病院機能を向上させながら医療コストを下げることも可能と考えます。オンライン診療を通じて、患者が望む医師の診療を自宅で受けることもそれ程遠い未来ではないかもしれません。そのように考えると、本機構が長野県全体に実際の診療拠点を有していることがメリットのように思えます。

 本機構は、県民の皆様と各病院がお互いに信頼し尊重し合うことで、最高の医療サービスの提供を実現することを目指しています。

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