理事長メッセージ

理事長兼学校長 本田 孝行

地方独立行政法人長野県立病院機構(以下「県立病院機構」)は、長野県からの依頼を受け信州木曽看護専門学校(以下「本校」)の運営をおこなうこととなり、平成26年4月に開校しました。

本校の開設は県立病院機構の強い希望です。なぜ県立病院機構が看護専門学校の運営を行うのか、なぜ木曽の地であるのかについては、次のような理由があります。
1.看護師の不足
長野県は看護師の絶対数が不足しており、地域的な偏在も大きな課題です。特に木曽医療圏は、人口10万人あたりの看護師数が689.4人で、長野県全体の839人と比べても著しく少なく、県内10医療圏域中最下位です(平成22年度統計)。同じように看護師不足が深刻である上伊那医療圏、大北医療圏においても若手の看護師の充足が急務であることから、本校の設置にはこれらの地域から大いなる期待が寄せられています。

2.素晴らしい学びの環境
木曽地域は豊かな自然と歴史文化という財産も持ち、住民の皆さんからの看護人材を育てることへの理解と熱い支援があります。また、観光地や地場産業には、木曽ならではの楽しみが満載であり、特に他地域出身の学生にとっては、勉学の合間に英気を養う素晴らしい環境が身近にあります。交通については、権兵衛トンネルの開通により伊那地域との行き来が容易になっており、地元の高校卒業生にとどまらず、近隣地域の若者の進学先として、選択される環境が整っています。

県立病院機構は、本校を特色あるオンリーワンの看護専門学校にすべく今後も務めていきます。長野県内にはすでに多くの看護大学、看護専門学校があります。ただ単に一つ増えるだけでは本校を設立する意義が問われます。少人数制ならではの丁寧な指導に加え、県立病院機構に所属する5つの病院がそれぞれの特徴を生かし、本校のカリキュラムを充実させるよう全力で協力いたします。高齢化が進む日本では、今後ますます人々の暮らしと健康を守る医療の力が重要であり、そのためには多くの人材が求められます。本校では、特に地域との結びつきを重視した教育、僻地医療の現実を見据えた教育を行い、地域医療の明日を担う看護師を育てたいと考えています。

以上、県立病院機構の志をご理解いただき、今後ともご支援をお願い申し上げます。

歴史・沿革

設立の経過

平成24年3月 平成23年度に県健康福祉部が設置した「長野県の看護人材養成に係る検討会」において、現木曽看護専門学校(2年課程)のあり方が見直された。
木曽地域の住民団体からも3年課程の設置が強く要望される中にあって、新たに3年課程を設置(平成26年4月)し、その運営主体を県立病院機構とすることにより、県のへき
地医療を担う県立病院機構の機能強化ならびに地域内での看護師の養成・定着の推進を図るものと決定された。
平成24年4月 「長野県の看護人材養成に係る検討会」での検討結果を受け、機構としての方針について協議を開始した。

設立準備の経過

平成24年4月 県立病院機構では看護学校準備室を本部内に設立
県立病院機構理事会において基本的な方針と設立までのスケジュールを協議
平成24年5月 県立病院機構理事会において学校理念・目的・目標の検討を開始
平成24年6月 「地域とともに新木曽看護専門学校(仮称)を創る懇話会」を設置、計画検討
平成24年6月 「地域とともに新木曽看護専門学校(仮称)を創る懇話会」を設置、計画検討
平成24年7月 教育計画案の作成、学習環境整備に関する検討
平成24年8月 長野県内高等学校卒業生の看護系学校への進学状況調査まとめ
平成24年9月 カリキュラム案作成、講師依頼、実習施設依頼等を開始
平成24年11月 県立病院機構理事会において設置計画案を承認
平成25年1月 看護師養成所設置計画書を提出→長野県健康福祉部→厚労省関東信越厚生局
校舎・設備改修の実施設計開始