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地方独立行政法人長野県立病院機構 長野県立木曽病院

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院長あいさつ

□井上院長 挨拶

井上院長写真

 新年度のご挨拶 平成30年 4月 1日

   

 今年の冬は、降雪は例年並みでしたが寒さが厳しく、最近ようやく春の息吹が感じられるようになりました。当院は、昨年度、2年連続の赤字を計上し、経営的にも大変厳しい状況にありますが、本年度も木曽地域唯一の有床病院として、いつでも安心してかかることができ、地域に信頼される病院を目指して頑張ってまいります。

 木曽病院が所属する地方独立行政法人長野県立病院機構にとって、本年度は、平成27年4月1日より平成32年(正確には新元号2年)3月31日までの5年間にわたる第2期中期計画の4年目に入ります。「地域の明日を医療で支える」というのが中期計画のキャッチフレーズですが、このフレーズは少子高齢化が進む中、地域最大級の雇用を支え、また急性期から慢性期までの医療を地域に提供している木曽病院に非常によく当てはまるのではないかと考えています。

 当院は、引き続き、急性期は24時間365日、救急患者をすべて受け入れ、慢性期、訪問、無医地区巡回診療などを行っていきます。災害医療拠点病院、へき地医療拠点病院、地域がん診療病院、第2種感染症指定病院などの各種指定を受けており、それぞれの分野で十分な設備を整え、診療内容を充実させています。さらに近年口腔ケアの重要性が指摘されてきていますが、週1回信州大学医学部(以下「信大」という。)の歯科医師に来ていただき、歯科口腔外科開設に向けた準備を進めております。

 本年度の常勤医師数は、診療科別に内科5名(肝臓1、消化器4)、神経内科2名、小児科2名、外科4名、整形外科2名(6月までは3名)、産婦人科3名、眼科2名、麻酔科、泌尿器科各1名の体制となります。なお、信大よりの派遣医師の定期交代のため、内科は丸山医師、髙橋医師、加古医師から小林医師、田中医師、若林医師に、整形外科は重信医師から樋口医師、宮澤医師(6月まで)に、産婦人科は宮下医師から中島医師に替わります。循環器医療につきましては、現在の状況では常勤医の確保は難しいのですが、信大(伊那中央病院)からの派遣に加え、機構本部から元こども病院長の原田医師にも2日間担当していただき、外来で週5日体制となるようにしました。また、脳神経外科、耳鼻科、精神科などにつきましても、引き続き常勤医の確保に努めますが、当面は困難な状況であり、外来非常勤医師の対応となります。なお、機構本部から久保理事長(信大名誉教授)にも月1回の呼吸器外来を担当していただけることになりました。

 リハビリテーションにつきましては、365日リハビリを行っています。また町村の健康増進策に呼応し、地域の公民館等公共施設を会場に「地域巡回リハビリテーション」を実施しています。

 院内の看護チームのレベル向上にも力を入れます。現在6領域6人(感染管理、皮膚排泄ケア、緩和ケア、がん化学療法看護、認知症看護、糖尿病看護)の認定看護師がそれぞれの立場で活躍しています。また医師の負担軽減と地域の分娩体制の維持を図るため、信州大学産婦人科の協力のもと、院内助産リーダー(医師の指示のもと、医師の立ち合いなしに院内で助産に対応ができる助産師)を2名養成しており、今後は助産師外来を立ち上げる予定です。

 さて今後の長野県の医療の動向については、これまで長野県地域医療構想及び第2期信州保健医療総合計画の策定過程で審議、検討されてきました。この中で木曽医療圏については、高齢化とともに総人口の減少傾向が続くこと、それに伴い、入院患者数も減少していくことが見込まれると示されています。また、もともと木曽医療圏の人口当たりの医療施設従事医師数及び看護師数はともに10医療圏の中で最少であり、また開業医も数が少ない上に、高齢化が進んでいることから、医療従事者の確保が重要であると指摘されています。また、採算性の低い山間地の訪問サービスを担う介護事業所の休止、閉鎖が続いており、介護サービス提供事業者及び介護従事者の確保、育成も課題であること、さらに、木曽病院が拠点病院として十分な役割を果たすためには、アクセスの確保が必要であること、等々が議論されました。

 確かにアクセスに関していえば、特に南木曽方面からは、現在の国道19号線のみでは不十分であり、木曽川右岸道路整備や国道19号線の高規格化が望まれます。またJR東海の中央西線も南木曽方面からの通院に使うには本数も少なく不便で、同線の複線化と便数の増加が望まれます。昨年度は、木曽地域振興局によって、広域路線バス及び広域乗合タクシーの試験運行が行われました。病院にとっては心強い取組ではありましたが、利用者が定着するには、継続的な取組が必要であると感じております。病院としては、通院用タクシーチケットの発行なども含め、より一層の拡充をお願いしていきたいと考えております。

 なお岐阜県中津川市は、「新公立病院改革プラン案」を公表しており、それによると木曽郡の南木曽町や大桑村の住民も多く通う国民健康保険坂下病院については、外来機能は当面維持するものの、段階的に入院規模を縮小し、平成31年2月までに急性期病床は廃止、療養病床のみとするとしています。木曽病院としては、木曽郡の患者さんはすべて受け入れる立場です。前述の広域路線バス等の取組の継続や充実により、木曽郡南部の方も木曽病院をご利用していただけるように各方面に協力をお願いしてまいりたいと思っております。もちろん岐阜県の患者さんのご利用も歓迎いたします。

 地域の高齢化の状況に合わせ、当院では今年3月に病棟再編を行い、急性期の患者さんで症状が改善した後退院までの準備期間が必要な患者さんに十分対応できるように「地域包括ケア病棟」を開設しました。詳細は別記をご参照ください。

 病院は地域の方々とともにあります。経営の健全化を進めながらも、今後とも私たちは、当院の理念にもあるように、患者さんの立場にたって、信頼と満足が得られて、心のふれあいのある医療サービスを実践すべく鋭意努力していく所存でありますので、よろしくお願い申し上げます。

木曽病院 院長 井上 敦