準備室だより

秋の避難訓練

秋雨の晴れ間の9月15日に秋の避難訓練がありました。

消防署の方に煙体験テントを設営していただき、煙による避難の難しさや危険を知り、非常時に落ち着いた行動が取れるように、擬似煙(バニラの香りがしました)を充満させた約5メートルのテントの中を通り抜ける訓練をしました。

 

煙体験前には、消防署員の方から煙の特性を知る説明がありました。

煙は秒速3メートルで天井に上がり、遠くになり温度が下がってくると床に充満する性質があります。

天井に上る煙と床にたまる煙の間に中性帯と呼ばれる層でき、最初のうちは、あたりが見える部分があるそうです。人が多く出入りし、空気の流れが拡散されていきますが、腰をかがめて姿勢を低くして避難口に向かえばよいとわかりました。

  

  ↑↑ 口と鼻をハンドタオルで覆い、ちょっぴりドキドキしながら・・・いざ、テントの中へ

   

  ↑↑ 入り口を入って20~25秒ほどで出口にたどり着いていました。

    右か左か壁づたいに進み、出口手前でややパニック◟꒰◍´Д‵◍꒱◞になりかける人も…

  

  ↑↑ 体験者がテントをたたく合図がないか救助が必要か待機しています。                                           

    安全確保のため一人ずつ順番に体験していきますが、

    学生がなかなか出てこないと…消防署員の方もヒヤヒヤ、ドキドキ 少し焦ります。

                                 

                                           

教室に戻り、「よくできました!!」と講評をいただきました。

火災の場合、火よりも煙が恐いとよく言われます。

見通しがきかなくてパニックになるよりも、生理的な呼吸の邪魔をする炭素性のガス “一酸化炭素” が

最も悪さをするそうで、一酸化炭素中毒が…(๑°⌓°๑) 発生します。 

血液に含まれる赤血球中のヘモグロビンHbは、酸素O2を運搬する役割をしていると授業で学び知っていました。その酸素よりも先に(200~300倍の速さで)、ヘモブロビンと結合しやすい性質があるのが、一酸化炭素COなのだそうです。そのため、一酸化炭素と酸素を一緒に吸い込んでしまうと・・・、肺でのガス交換が阻まれ、酸素不足で意識を失ったり、最悪の場合そのまま死亡してしまう危険が高いと学びました。

煙体験をした学生からは、「予想以上に前が見えなくてパニックになりそうだけれど、腰を低くすることを忘れないようにしたい」、「火事を外からみただけでもパニックになったことがあるが、建物の内側ならもっとパニックになるだろうから、巻き込まれないことも必要だが、知識を得て自分の身を守ることが大切になる」との感想があり、訓練 の大切さを感じる貴重な経験となりました。